結論:担当者交代では、パスワードを一つの文書へ集めるのではなく、①契約者、②管理できるアカウント、③更新期限、④復旧時の連絡先、⑤次の担当者が実際に入れるかをサービスごとに確認します。
ホームページの担当者が退職・異動するとき、記事や写真の更新方法だけを引き継いでも運用は続きません。ドメインの更新通知が前任者の個人メールへ届く、制作会社だけがWordPressの管理者になっている、Googleビジネスプロフィールの所有者が分からない、といった状態では、修正したいときや障害時に手続きが止まります。
大切なのは、すべての人へ強い権限を渡すことではありません。事業者自身が契約と所有の状況を把握し、日常の更新担当には必要な範囲の権限を付け、外注先には作業に合う方法でアクセスしてもらうことです。
最初に五つの管理先を分ける
- ドメイン:契約会社、契約名義、更新期限、支払方法、期限通知の受取先。
- サーバー:契約者、管理画面、請求、障害連絡、バックアップの有無。
- WordPress:管理者と日常更新者、登録メール、導入している場合の二要素認証、復旧を依頼する先。
- Googleの管理:ビジネスプロフィール、Search Console、アクセス解析などの所有者と利用者。
- 制作資料:原稿、写真、ロゴ、デザインデータ、仕様書、契約書、制作会社の連絡先。
WordPressの公式資料では役割ごとに操作範囲が異なり、通常の単一サイトでは管理者がプラグインやテーマ、利用者管理等まで扱えます。Googleビジネスプロフィールも、パスワードを共有せず各自のGoogleアカウントへ所有者・管理者の権限を付ける仕組みです。Search Consoleには確認済み所有者・委任された所有者・利用者があります。名称が似ていても権限範囲は同じではありません。
架空の引き継ぎ表
以下は架空の店舗サイトを想定した記入例です。実在する契約、アカウント、期限ではありません。
- ドメイン:会社名義。更新月は11月。請求と期限通知は共有アドレスで受信。
- サーバー:会社名義。請求担当と技術連絡先を別々に記録。障害時は保守会社へ連絡。
- WordPress:会社用の管理者を1件維持。日常担当者は編集者。前任者の利用者は作業終了後に扱いを決定。
- Googleビジネスプロフィール:代表用アカウントが主要な所有者。新担当者を交代日より前に所有者または管理者として追加し、ログイン確認後に前任者を整理。
- Search Console:会社管理の確認済み所有者を確認。制作会社は必要な権限で参加。HTMLファイル、metaタグ、DNS等の確認トークンも記録。
- 完了条件:新担当者が各画面へ自分のアカウントで入り、更新期限と緊急連絡先を説明できる。
前任者がGoogleビジネスプロフィールの「主要な所有者」の場合は、退職・契約終了前に別の所有者へ主要な所有権を移します。新しく追加された所有者・管理者は追加後7日間、一部の削除・所有権移管操作が制限されるため、交代日より前に準備します。Search Consoleで確認済み所有者を外す場合は、利用者一覧だけでなく、その人が使ったHTMLファイル、metaタグ、DNS等の確認トークンが残っていないかも確認します。
安全に交代する四つの手順
- 一覧を作る:サービス名、URL、契約名義、現在の所有者、期限、連絡先を記録します。パスワードそのものは通常の引き継ぎ表へ書きません。
- 新担当者を先に追加する:現在の担当者をすぐ削除せず、新担当者が招待を受け取り、必要な画面を開けるか確認します。
- 権限を仕事に合わせる:記事更新だけならWordPress管理者が必須とは限りません。契約変更、利用者追加、プラグイン更新など、担当業務から必要権限を決めます。
- 旧担当者を整理する:引き継ぎ完了後、退職者や不要な外注先の権限、復旧メール、二要素認証、共有先を会社の方針に沿って見直します。
制作会社のアカウントだけで管理していても問題ありませんか?
日常作業を任せること自体はできますが、契約終了や担当変更のときに自社がアクセスできる状態か確認してください。どのサービスを誰の名義で持つかは、保守範囲と一緒に書面へ残します。
前任者のアカウントはすぐ削除すべきですか?
削除前に、新担当者が必要な権限を持ち、所有権や復旧先が会社側へ移っていることを確認します。投稿の著者表示や関連サービスへの影響もあるため、削除・権限変更・停止のどれにするかを管理者と相談します。
本記事は2026年9月24日に各公式資料を確認しました。管理画面の名称や権限は変更される場合があるため、実際のサービス画面と最新ヘルプを優先してください。
GreenCodingへ相談できること
GreenCodingでは、担当者交代や外注先変更の際に、ホームページの現状、WordPress利用者、ドメイン・サーバー契約、公開後の保守範囲を確認できます。すべての情報が揃っていなくても、分かる項目と未確認の項目を分け、次に確認する先を整理します。実際の所有権移管やアカウント復旧は、各サービスや契約会社の手続きに沿って進めます。